ダンサーはジムに通うべき?

  この前インスタライブで 「(バレエ学校の、だと思われる)学生が絞りたいときにジムに行くのはいい事ですか?」 という質問をいただいて、ライブで答えたんだけどいい質問だと思ったのでエクストラ情報をつけて記事にしました。   ライブでは「絞る」って何か?そしてダンサーに必要なのか?というのをお話したんだけど、 今日のブログでは話をジムにフォーカスしたいから飛ばします。 ジムって何を指すの? 日本だとちょっと手を出しにくい…とか近所にない、って人もいると思うし、 未成年は使えない(もしくは変質者がいる…)というケースがあると思うんだけど海外ではジムって結構身近にあります。   24時間やっていて、ウエイトマシーンとフリーウエイト(ダンベル、バーベル)、バイク、トレッドミル、クロストレーナーが置いてある程度の場所から、 会員になると、プール、サウナ、ハイドロセラピーが出来る場所や、グループエクササイズクラスも無制限で受けられるところまで。   私の家の近所のジムは早朝は近辺の学校のスイミングチームがトレーニングをしていて、 お昼くらいはシニアがアクアエクササイズ(水の中で動く)のをやっていて、ちびっこたちの水泳教室が反対側で行われているとか、 学生割引があって、モテたい子達?が団体で来て(妙なテクニックで)ウエイトしているときもあります。   シティのホテルやアパートメントだと、住民が無料で使えるジムとプールが勝手についてくることもあります。 (そういう人と友達になると無料で使える…笑)   ジム(gym)=トレーニングができる施設、なのでサイズや置いてある器具に決まりはありません。 ジム=パーソナルトレーナーがついてくる訳でもありません。   バレエ団のビルの中にジムが入っている場合もありますが、 大きな学校やカンパニーでないと、バレエ団の近くのジムと提携が組んであり、ダンサーは少しディスカウントが受けられるところもあるだとか。   最近のプロダンサーだったらジムでウエイトを上げているのは結構当たり前になってきていますので、 どこかでちゃんと習う機会があるんでしょうね。  …

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2021 オニカツまとめ!

  オニカツを知らない人のために。 オニカツとは、鬼の佐藤愛と朝活しよう!という事で、毎月15日…あたりに行われているインスタライブの事です。 をオープニングに2021年にスタートした新企画「オニカツ」のゴールは 毎月テーマに沿ってバレエ解剖学とエクササイズ、レッスン上達法をお話する事で 教師のためのバレエ解剖学講座参加者たちなら、復習に。 ボディコンサークル参加者なら、予習に。 そして DLSセミナーに参加したことがない・参加出来ない人達には情報を伝えるために。 2月から11月の間、行っていました。   来年からはフォーマットを変えて、質問箱に届いた中からトピックを選ぶ形になるため、 2021年版が一気にチェックできるよう、まとめブログを作りました。   このページには、それぞれのテーマのオニカツビデオ+関連動画(バイトサイズ)やポッドキャストのリンクも付けてありますので、 興味があるところだけ、自分の一番頭に入りやすい形(文章・音声・動画)で勉強してくださいね。 *まだバイトサイズがアップされていない回もあります。今後のアップをお楽しみに♡ 目次 スクエア(体幹・上半身の強さ) 背中の柔軟性 背中とポーデブラの繋がり レッスン中の骨盤の安定 ストレッチとリリースの違い 内転筋 勉強・レッスン上達方法 ハムストリングス エクササイズとレッスンのバランス 2021年の総集編  スクエア(体幹・上半身の強さ)  …

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レッスンで出来るスタミナアップ

体力、スタミナ作りについては既にいくつものブログ記事にしてあります。   縄跳びとバレエ アップデート版 ダンサーのためのランニング ダンサーのためのスイミング プランクでスタミナは向上するのか?   今日のトピックは「レッスンで出来る」スタミナアップです。 だって上に書いたエクササイズ達はレッスンの「外」で行う事。   セルフモチベート出来るダンサーだったらいいかもしれないけど、スタジオにいる全ての生徒さんがそういう子たちな訳ではありませんよね。 でも、発表会を安全に乗り切るために、徐々に体力をつけてほしいと思っている先生方もいらっしゃるでしょう。   もちろん、やる気がある子たちの中でも、 学校+バレエ、夜遅くまでやっているので外でランニングなんて出来ない。 ケガしていて縄跳びもランニングも出来ないけど、近所にスイミングの場所もない。 という子たちもいますよね。 術後だったら、傷がふさがるまでは泳ぎに行けないしさ。   レッスンで何に気をつけたらスタミナアップが出来るのか、一緒に考えてみましょう! スタミナアップの前に この記事ではどうやって運動量を増やすか?にフォーカスしています。 心肺機能向上の為には、徐々に(緩やかに)運動量を上げていく必要があるので。   ただし、 ケガしていたらそっちを先にどうにかする 疲れているときは無理しない 体調が悪い時、集中力が落ちているときは、体の声をしっかりと聞く という「健康」が大前提だと思ってくださいね。  …

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いざ小鬼出動! DLS公認インストラクター物語

  昔々、あるところに鬼の愛というヤツがいました。 日本語にめっぽう弱い赤(い髪の)鬼は、Happy Dancingを日本に届けようと金棒(のかわりの大腿骨)を振り回しておりましたとさ。 (治療家たちの前で、金槌でトウシューズをたたいていたという噂話もありますが、真相はいかに…)   がしかし、日本はバレエ人口が世界的にも多く、 全国津々浦々、どの駅を降りてもバレエスタジオがあると言われております故、鬼の前進はまるで亀の歩み。   研究結果やスポーツ医学はこのネットご時世、簡単に手に入るはずなのに、 古い「当たり前」という壁や「昔からやってたから」という谷、 「大先生」というちっこいくせに微動だにしない仙人たちの風通しされておらぬ、昭和な香りがプンプンする線香の煙に巻かれ、 意気揚々と東の国に登っては、こうべを垂れて海の彼方へ戻るという年月を過ごしましたとさ。   でも、ダンサーだって人間じゃないか。 しかもちっこい人間たちが「バレエを楽しい」と思えなくて何が指導者だ。 信頼してついて来てくれている子たちの体を害して、病を抱えさせた責任は本人に押し付け 「私が将来の夢を叶えさせた」と言えるのだろうか。   鬼は悩みました。   自分の子供でもないし、ちっこい人間を助けるのをやめて、カンガルー王国に引き下がるか。 もしかしたら日出処では、Happy Dancingは必要とされていないのではないか。 戦後の日本経済が成長した理由は、何が何でも突っ走れ+公害からくる病気だって最後の最後まで無視しろと国が進めたからだとも言われるじゃないか。 根拠はないが、兎跳びやエビぞりなど妙に動物に模した動きを続けて、生き残った者たちが今の倭国で幅を利かせているのだろうし。   (意味のないと見える)涙や苦労、挫折は「努力」と称えられ、大和魂として好かれるのも事実… (とはいえ、魂っちゅーものは死んだ人間から出てくるのだから、ちっこいダンサーの夢が死んでしまったという証拠か…?)  …

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レッスンにエクササイズをまぜるときの注意

  ※この記事は2016年8月に書かれたものを2021年に大幅アップデートしました。   忙しいバレエ教師の方から質問をいただきました。   強化エクササイズもやりたいけれど、レッスンも大事にしたい。レッスン中にやることがいっぱいすぎる! どうやってバランスをとったらいいでしょうか?   難しいですよね。 勉強すればするほど、クラスに取り入れたい事リストが増えていきます。 エクササイズもその一つ。   先に答えちゃうと、正しい答えは一つではありません。 そのクラスのレベル、生徒さんの理解度やニーズ、スタジオの方針もあるでしょうから、この記事では レッスンにエクササイズを取り入れるメリットとデメリット レッスンのどこに取り入れることが出来るか?の例 をご紹介していきたいと思います。 ダンサーにエクササイズは必要か? レッスンにエクササイズを混ぜる、混ぜない、どう混ぜる?の前に。 ダンサーにエクササイズは必要か?というスタートクエッションに答えてみましょう。   答えはYESです。 ささっと理由を書いていきましょう。   1)バレエレッスンは昔から大きくは変わっていないが、ダンサーに求められる身体的能力はクラシックバレエの中だけでも上がっている (ジャンプの高さ、回転のスピード&数、全体的な公演数や運動量など)   2)バレエ学校にはなんらかのエクササイズクラスが含まれているため、留学を考えたらやっておきたい科目の一つでもある。 (私は元バレエ学校のエクササイズクラス講師でしたから信じて!笑)  …

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腹筋運動をダンサーが正しくやるために知っておきたいこと

※この記事は2015年6月に書かれたものを2020年の「ダンサーの腹筋事情ebook 2nd edition」のために大幅にアップデートしました。   前回ご紹介した下向き腹筋の、理屈は分かったけど、見た目は… そんなに格好良くないですよね。   ただ床に寝転がっているみたいに見えるし、 筋肉使ったーという達成感や、英語ではburningと表現される、燃えるような、鈍痛もない。 やっぱり普通の腹筋をやった方が辛いから効果があるんじゃないの?って思う人も多いかもしれません。   ここでいう普通の腹筋というのは クランチとかシットアップとか言われる体力測定なとでも使われるやつね。 でもこれ、正しくやらないとかなり危険ですし、あまり効果がないって分かっています。   世界で一番規模の大きい軍隊である、U.S.Armyも 2020年の終わりにはシットアップを体力テストやトレーニング内容から外すと発表しています。 (The Washington Times 2018年7月10日記事による) 理由はケガのリスクが高く、効果が見られないからだそう。   体もでき上がっている成人で、毎日トレーニングをしている人でも危険だったら プロダンサーを目指している子供たちや趣味で踊り始めた人たちが、 トレーニングのプロのサポートなしで行うのはかなり大変なのではないか?と私は思います。   なので「バレエの立ち方できてますか?」 「ターンアウトできてますか?」 「プリエ使えてますか?」全てで、シットアップのような背中を丸めるエクササイズは紹介していません。  …

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レッスン中の骨盤を安定させるために

骨盤引き上げて、タックにしないで、ダックにしないで おしりの筋肉使って、おしりの筋肉固めないで 腹筋使って、おなか入れて、コアマッスルで…   バレエレッスン中に骨盤周りの注意をされないことはないと思うのですが、 正直混乱しません?   さっきは骨盤が後ろに逃げていると言われたけど、今度はタックにするなと言われるし おしりの筋肉を使えと言われて頑張っていたら、足は動かないし。 これらの注意は結局レッスン中、動きの中で骨盤を安定させろ、というときに使われるんですね。   この記事では、骨盤を安定させるってどういうことなのか? どうしたら骨盤が安定して踊れるのか?ということについてお話していきましょう。 骨盤の復習 話をこれ以上進める前に、骨盤って何か?の復習とどうしてダンサーにとって大切な知識なのか?をささっとしておきましょう。 骨盤とは3つの骨でできている骨の塊でしたね。 背骨の一番最後となる仙骨&尾骨と、股関節を作る骨の1つである寛骨(腸骨+坐骨+恥骨の3つのセクションがある)骨でできている部分。 つまり上半身と、下半身のちょうど真ん中にあって、両方に影響します。   →背骨の復習+詳細はこちら →骨盤の大切さを深く見る記事はこちら   だからレッスン中に骨盤を安定させるってとても大切になってくるのよ。 体幹の安定(スクエアが正しく保てる) 背骨の安定(上半身が自由に使いやすくなる) 重心の安定(バランスが取りやすくなる) 股関節の安定(ターンアウトがしやすくなる) 大腿骨の安定(軸足、動足も安定しやすくなる) 膝関節の安定(膝関節を作る骨の一つである、大腿骨が安定するから) List…

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上達してない…と思っているダンサーへ

2021年春のオンラインセミナーも終了し、3月から始まったボディコンサークルも順調に2グループ目が出来ました。   こうやって周りの人達が勉強している様子をSNSにアップしていたり、 新しく学んだ知識と共に指導の方向転換をしていたりするのを見ているときに 「私、上達してないじゃん…」 と思っている人もいるかもしれません。   もしかしたら、日々のレッスンの中で言われた注意通りに動けなくて やっぱり才能ないのかなぁ…なんて思っている人もいるかもしれませんよね。   今日のブログは上達が目に見えない時に読んでほしいことを書きました。 バレエ解剖学ではないけれど、とても大事な事だと思うので是非読んでみてください。 (読みやすいように軽く書いたけど、話口調の文章が嫌いな人はUターンしてくださいませ。お疲れ様でした) 良くわからない、は上達している証拠 「よくわかりませんでした」 「いまいち理解できていません」 という言葉を聞くたびに、おめでとう!と言ってあげたい子たちはたくさんいます。   学びには4つのステップがある、と言われるのね。 これはスタンスWSやターンアウトWSでも資料に載せてあります。 (もっと知りたい人やリソースは英語のwikiにリンクツリーがあります)   unconscious imcompetence(出来ないことも分かってないよ) ↓ conscious incometence(考えてるけど出来ないよ…) ↓ conscious competence(考えてれば出来るよ)…

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長い首を作ろう!肩甲挙筋

*この記事は2014年に書かれたものをより分かりやすいように図や説明を増やし、大幅アップーデートしました。   バレエダンサーというと長い首のイメージが強いみたいですよね。 クラシックバレエ=白鳥の湖=首長い、みたいなところもあるんでしょうか。   確かに正しいポーデブラを練習していたら、そしてエポールマンのつけかたを練習していた場合、バレエでの首回りの筋肉の使い方は、スポーツとは大きく異なります。 バレエに近いスポーツで例に出やすいフィギュアや新体操と比べてみても、腕のポジションに似ているものがあったとしてもポーデブラ、腕の運びは違うのが分かりますよね。   とはいっても、首のラインで悩むダンサーも結構いるので、今日は長い首のラインに大切な(というか敵対する?)肩甲挙筋(けんこうきょきん・levator scapulae)について勉強していきましょう。   ただ、マニアックで難しい話に行く前に。 肩甲挙筋はダンサーが場所や名前を知っておかなければいけない子ではありません。 バレエ解剖学があんまり得意じゃないけど、長い首を作りたい人は「肩は下げればいいわけじゃない」からどうぞ。 肩甲挙筋はどこにあるか? 肩甲挙筋は頸椎1番から4番の横突起から肩甲骨の上のほうについています。 頭蓋骨の下から肩甲骨の上までだから…20㎝くらい? 結構ちっちゃい筋肉だよね。   すでに勉強した僧帽筋上部の下にありますが、ぶっちゃけ経験を積んだ治療家でも僧帽筋上部と肩甲挙筋を手で触り分けることは出来ません。 ダンサー、トレーナー、指導者だったら僧帽筋上部と肩甲挙筋を分けて考える必要もないですよ。     →頸椎について復習 →僧帽筋について復習 →肩甲骨について復習 肩甲挙筋のお仕事は? 名前通り、肩甲挙筋のお仕事は、肩甲骨を挙上(きょじょう・elevate・上に持ち上げる事)です。 ね、僧帽筋上部と一緒でしょ?  …

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バレエで必要な「しなやかな」背中を手に入れるには?

背中の動きを「しなやか」と形容するスポーツ、芸術って多くはないと思うんですが、 バレエダンサーは背中がしなやかであることがスキルの一つとなっていますよね。   でも、しなやかな背中って何か?とバレエの先生に聞いたらどう答えるでしょうね? 柔らかい事? たくさん反れる事?   しなやかな背中を手に入れるために、どんな努力をしていますか?とダンサー達に聞いたらストレッチ、というのかしら?   でもさ、背中を柔らかくするためのストレッチ=反る動きだと思われがちだけど、 反る動き=背中は縮まり、おなかが伸びる だからね? だよね??   腹筋を伸ばすと、しなやかな背中になる、ってどうして思っちゃうの??? という謎はまた次回解いてみる事にして、 今日はバレエで必要な背中について考えていきましょう。   今回、解剖学用語がたくさん出てくるし、長いので文章を読むのが苦手な人はこちらのビデオからどうぞ。 「しなやか」という言葉の意味は? ネット辞書によると、   しな‐やか [形動][文][ナリ] 1 弾力があってよくしなうさま。 2 動きやようすがなめらかで柔らかなさま。 3 姿態などがなよなよして上品なさま。たおやかなさま。…

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