続 肩を上げずにポーデブラを感じるためのエクササイズ

肩を上げないシリーズ、エクササイズ版の続きです。 本当はシリーズものにする予定はなかったんだけれど笑 なっちゃったから興味があったら読んでください。   復習のために。 まず、踊っていると肩が上がってしまう!という悩みをバレエの動きと解剖学で考えてみた記事から始まりましたね。 何かを修正するには、まず間違っている事をやっているという認識が必要だから。   そこで様々なケースを上げました。 例えば 普通にしてても肩が上がっているのか、踊っている時だけなのか? ポーデブラ(腕の運びって意味だね、この言葉)と一緒に肩がついていってしまうのか? ジャンプの動きなど体の動きに負けてぷかぷか肩関節が浮いてしまうのか? それぞれ原因が違うので、同じエクササイズをやってても意味がないって話をしました。   そして肩を上げずにポーデブラを感じるためのエクササイズ、という記事では ポーデブラと一緒に肩がついていってしまう、という人用にエクササイズをご紹介しました。 肩が体の一部という意識、そして腕は体を別に離れて動くという認識を作るため。 (ちなみにisolation your arm!と注意されることがありますので、留学希望組は覚えておこう)   今日ご紹介するエクササイズの前半は ポーデブラ、とくに5番ポジションで肩が上がってしまう人達へのエクササイズ、 後半というか応用編はアラベスクやカンブレデリエールなどで反ることに集中しちゃって肩を忘れちゃう人へのエクササイズをご紹介します。   セッティング 必要なもの:フォームローラー(ぼこぼこがない奴、ここでは30㎝のものを使っていますが、長くても可) マッサージ用のフォームローラーはぼこぼこしている事があります。 個人的にこれ、嫌いです笑…

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肩を上げずにポーデブラを感じるためのエクササイズ

2016年の終わりに踊っていると肩が上がっちゃう!という悩みに答えたブログを書きました。 ちょっと分かりづらい記事なんだよね、あとで読み返して思いました。 ごめんなさいね、いつか時間があったら(いつだろうか・・・遠い目)書き直します。   今日はその続きというか、エクササイズのご紹介。(だから分かりづらくても元記事読んでね!) 肩から腕を動かすのではなく、腕を遠くに伸ばす感覚を作ってみましょう。   これは元記事の3番目、「腕を持ち上げたとき、動かした時に肩が一緒に上がってしまう」という人用です。 普段の姿勢では、もしくはブラバーでは肩を保つことができるけれど、 ポーデブラを始めたら肩が動いてしまう人って事ね。 これは肩があがるだけでなく、肩が前に落ちてしまう人にもお勧めです。   ただし! 普通の時から肩が上がってしまう人や、ジャンプなど腕の動きでなく、体の動きのせいで肩が動く人には向きません。 ま、やって損はないけど、効果は見えませんから、記事に書いてある他のエクササイズを参考にしてくださいね。 セッティング 必要なモノ:エクササイズバンド(強すぎないもの!引っ張ることが目的でなく、意識、感覚作りが目的だからね。) ここではセラバンド®のブルーの強さと同じものを使っていますが、肩のコントロールがなければもっと軽いものを使ってね。   椅子 足の裏がしっかりと地面につく高さをえらんでくださいね。特に骨盤のプレースメントを意識するのが苦手な人は注意! 床に座ってもできますが、その場合はあぐらをかいてお尻の下にヨガマット、もしくはヨガブロックなどを入れて体を少し高く持ち上げてください。(じゃないと腕が地面にぶつかっちゃうので。) タック癖のある人は椅子の方がいいですよ。   →タックとダックの狭間で 横から見たときには肩がしっかりと開いている様に。(アライメントの話を思いだしてね。) 肩が前に落ちてるのがダメっていうのは分かりやすいですが、肩を無理やり開こうとして肋骨が飛び出たり、 肩甲骨がせぼねの方によらないように注意。   *エクササイズはスタートポジションが要(かなめ)ですよ! →アライメントという壁…

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壁を使った腕立て伏せ(ポーデブラ、上半身強化)

  腕立て伏せの質問、覚えてます? 忘れてる人、まだ読んでいない人はこちらの記事を先に読んでくださいね。   DLSには記事がたくさんあり過ぎて、どの順番で読んだらいいか分からん!と言われるので・・・ 腕立て伏せのフォームについての記事で、ダンサーには腕の力、腕と背中をつなげる力、などが必要ですよ、 だから腕立て伏せやってね!とお話しました。 ただ、問題は腕立て伏せの前に、肩甲骨が飛びだしちゃって、腕立てのフォームすら作れないと。   だからその後の記事で肩甲骨が飛びだしちゃう解剖学的理由とバックグラウンドを説明し、 肩甲骨のウイング修正の記事でどうやって飛びだしちゃう肩甲骨をコントロールするか?をお話ししたわけ。   ここまでOK?   今日は腕立ての記事でちらっとお話した壁をつかった腕立て伏せについてお話していきます。 これはウイング修正エクササイズをやってから行いましょうね。   原理 腕立て伏せとはプランクの動くバージョンである=体幹をキープするべし! 腕立て伏せの記事で説明したから飛ばします。   何よりも正しいアライメントが最初! これも腕立てふせ記事に書いたけれどとっても大事。   体が高くなればなるほど楽になる 普通の腕立て伏せが真ん中の棒人間。 体を腕とつま先、そして胴体の筋肉で支えます。     左が壁バージョン。重力が足の方に落ちるので腕にかかる負担が少ないのと、…

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肩甲骨のウイング修復エクササイズ(ダンサーの翼状肩甲骨)

今日のエクササイズはこの前の記事を読んでいなかったらほんとーにちんぷんかんぷんです。 (あ、なんだか平仮名の羅列になってしまった) なのでそっちをしっかりと読んでください。→肩甲骨が飛びだしちゃう!のはなんで?   形だけのエクササイズを真似していても、何をやっているのか理解できていなかたったら効果は殆どありません。 逆に、何をやっているのか明確に理解できて、自分でイメージしながらできたら上達が早まりますよ!   さて、今日はウイングを直すためのエクササイズ。 自分で見えないエリアなのでさっき述べた理解とイメージがとっても大事です。   また、このエクササイズはしっかりと真っすぐにたつ!という事ができる人が行って下さい。 骨盤が安定しない、とか真っすぐに立てない・・・という子たちはそちらを先に練習すること。   まずは、ウイングのおさらい。 なんだかごっつく見える気がする、というのは放っておいて。 楽屋でとった写真なので、写真の角度が変なのと、このレオタードのカットが・・・なだけです。   見えないから片方ずつ行います。 同じ角度でウイングのことってほとんどないので、まずは少しよさめの方から(よさめって日本語か?)やってみましょう。 できる方で感覚をつかみ、その感覚をつかって難しいことをやる。 エクササイズ&ニューロンの基本ですね。   写真の様に手のひらを返して肩甲骨にふれます。 手や肩を動かしながら肩甲骨がうまくはまる場所を探しましょう。 ほとんどの人は肩を開き、持ちあげると肩甲骨がはまる場所が発見できるはずです。   それが分かったら、この位置をキープしたまま方を下げてきます。 途中で肩甲骨がいなくなっちゃったら、またもとに戻りましょう。   肩の上げ下げをしても、肩甲骨が静かに収まっている様になったら、その位置でポーデブラの練習をします。…

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ダンサーが正しく腕立て伏せをするために

「腕立て伏せを練習しなさいと言われましたが、正しいフォームでできません。 変な筋肉がつくのが嫌なのですが、どうしたらいいでしょうか?」   これが今日の質問です。 腕立て伏せってダンサー、特にクラシックバレエダンサーにとても大事なエクササイズなのですよ。 嫌いな人が多いし、私も嫌いだけど笑 なのでこの質問を使って、どうして腕立て伏せが大事か、正しいフォームって何なのか?そして変な筋肉ってどんな筋肉!?かを考えていきましょう。 どうして腕立て伏せが大事か? 腕立て伏せ、というと腕のエクササイズみたいに感じるけれど、それだけじゃないんですよね。 大胸筋、小胸筋、という胸の筋肉を強化してくれる(なのでバストアップにいいとか言われるのだけれど笑)というのは定番かしら。   ダンサーに向いている最大の理由は、プランクのポジションをキープしながら行うエクササイズだ、ということ。 プランクで鍛えられる体幹の意識、腹筋、背筋をホールドしておく感覚(ピルエットやジャンプのときに大事だね) を腕を動かしていても、体の重心の位置が変わっても、ホールドする。 いわば、腕立て伏せってプランクの応用編の一つになるわけです。   よくプランクをしても、ダンサーの体幹って動きの中で使えないと意味がない、何て言う人がいるんだけれど、私は 動きがないところでホールドできなかったら、動きの中でホールドできるわけないじゃない! だから、最初はプリエとタンジュからレッスンが始まるわけですよね。 確かにプリエもタンジュも、センターで使えなくっちゃ意味がないけれど、だからと言って、バーでのタンジュ、プリエ、もしくはそのためのエクササイズが役に立たないわけないじゃない?   体幹を作るため、というだけではなく、クラシックバレエ、特に小さなスタジオでは、 パドドゥの練習をすることがほとんどありませんね。 そして発表会の時にいきなりリフトやら、プロムナードやらをやると!大変なことになるのは先生方はご存知の通り。   男性と踊る場合、女性の腕の強さも更に大事です。(普通に踊っている時も必要よ!) 腕だけでなく、肩甲骨から背中と腕が繋がっている感覚があるダンサーは踊りやすいわけよ。   そのような練習をすることができないのならば、 自分の体重を支える腕立て伏せはパドドゥのためにもやっておきたいところ。…

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たかが親指、されど親指!ルルベを強くするためのストレッチ

  昨日、生徒と絶対にやりたくない職業、という話が出まして。 その時に彼女は「絶対に歯医者になりたくない!」って言ってました笑 口の中って汚いし、臭いし、腐った歯の根っことかあるし!!   その時、「トウシューズのくさい足を診る方が絶対マシだね」って言ったんだけど。 本当にその通りで。   私、ダンサーの足を診るの好きです。 だって、たっぷりヒントが詰まっているんだもの。 踊りの癖はもちろん、トウシューズが合っているか、どれだけレッスンしてるか? 何歳からポワントを履き始めたか?捻挫をどれくらい繰り返したか? なーんて見えてくるんですよ。   筋肉の具合を見ると性格まで分かります笑   変な人ーーーーーーーーーーー!   さて今日のテーマは親指。 親指については結構な数の記事がありますのでサイト内を検索してみて下さい。 今日は親指とデミポワント、つまりルルベを考えていきます。   つま先を伸ばしたい!という声はよく聞くのよ。 トウシューズで立つために大事だからね。 だけどよくみんなが忘れてしまう部分、それはデミポワント。 デミ、半分、ポワント、ということでポワントに立つための途中経過だよね。   それがしっかりとできていないと、フルポワントに立つ強さは作られません。 少ない面積でしっかりとバランスをとる 重心を正しいところに移動させる…

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エクササイズを「知ってる」と「やってる」

突然ですがみなさん、いくつエクササイズを知っていますか? これじゃあ、質問の幅が広すぎですね。 ではこれでどうでしょう? 「自分の苦手な部分を克服するためのエクササイズはいくつ知っていますか?」 ちなみにDLSではエクササイズを色々とご紹介してきました。 だから苦手な部分が肩関節の固さや、首のラインだったら 首のストレッチも、肩関節の可動域を上げるエクササイズも2つ紹介してあります。   腹筋エクササイズ版は6つの腹筋たち。 バランスが苦手だったら、バランスパットの使い方。   1番ポジションの立ち方も紹介してあれば、 片足フォンジュのレッスン法も紹介しています。 ストレッチの方法も説明していれば、 体の左右のバランスを整えるエクササイズも。   ここに上げたのは一例ですけどね。 まだまだあるんですよ。 無料で手に入る情報だけでも。 その他にセミナーや講習会などもありますよね。 (ここで上げた記事のリンクは一番下につけておきました。参考にしてください)   さて。 何が言いたいか?というと エクササイズを「知っている」という事と エクササイズを「やっている」って言う事は全く違う次元の話だって事です。   エクササイズを知っていてもやっていなければ筋肉は強くなりません。 筋肉が強くならないと、レッスンでは感じられません。 レッスンで感じられなかったら、舞台では使えません。…

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ストレッチ猿まねの危険性ーストレッチシリーズ番外編

そのストレッチ、本当に役に立っているの? という記事は素晴らしく人気で、ブログ内では1000を超えるいいね獲得。 FB内でのシェアは59回らしいです。   恐ろしき前後開脚・・・・   そのあと、説明が欲しいよーという人達のために 前後開脚を分析して ハムストリング編 ヒップフレクサー編 お尻編(まとめ) という記事を書きました。   ちょうどそのころ、オーストラリアのニュースで 「Dancers injured copying overstretching exercises from social media」 という記事がありました。 ソース元はこちらをクリック(英語ですが)   題名通り ダンサーたちがソーシャルメディア内で見たストレッチを真似して ケガしている! という記事です。  …

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バランスパッド,ボード,クッション…ダンサーのバランス

私、佐藤愛がバレエ学校の生徒たちにいつも買ってもらうアイテムがあります。 そのうちの一つがバランスパッド。 →アイテムについてはこちらから →バランスパッドの基本的な使い方はこちらから   だけど、世の中には バランスボードやら、バランスクッションやら色々。 なんだかなーって思っていたら BOSUでポワントで立っている女の子の動画がFBに流れてきた!!   一体全体、どれがダンサーに向いているの!? ってことを考えてみました。       バランスパッド 私が一番多く使っているのはバランスパッドです。 立っているだけで足の裏がつりそうになる! という経験から分かるように、 ケガをしていて動きに制限があるときにでもすぐに使用できる道具です。   また、高さが少ない、固くない、というところから 万が一、バランスを崩してもケガをしづらい、 というのはリハビリをする上で大事なことです。   バランスパッド基本編でもご紹介したように、 ただ立っているだけで、足の癖が見えます。   これも、自分の体を理解するのに必要な部分です。 足首がロールインしちゃっているのか?…

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バランスと反復とダンサーズライフ

鬼の愛で話題のこの記事で、 トレーニングには原則、って言うのが存在するんですよー だから鬼だったんですよーっていう 素晴らしくテクニカルな言い訳をさせていただきました。 まだ読んでいない人はこちらから。   今日の記事は他の原則をご紹介しつつ、 ダンサーの生活を見ていこうと思います。   今日取り上げる原則は 全面性の原則 と 反復性の原則 ではいってみましょー     全面性の原則 トレーニングでは、1カ所だけでなく全体的に体を鍛えることで 効果があがる、という原則です。 つまりバランス良いトレーニングをして、って事。   これをダンサーの生活で見てみましょう。 バーレッスン、センター、アレグロ、ポワント・・・ 全てにおいて全身を使って踊らなければいけないエクササイズたちばかり。   だからこの全面性の法則はオッケーじゃん? って思いますでしょ?   落とし穴として 1)同じようなアンシェヌマン。…

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